ブラッディーを連れて故郷を訪れてみた。

懐かしい香りがする。
然し人の気配は無い。
静まり返った空気が哀しい。

それで良かったのかもしれない。


それを俺への罰だとするのならば、
俺は途中で逃げ出したくなったその脚を止めなければならない。
前に向かって進まなければならない。

生きなければ、





数日ぶりの城。
数日ぶりのその一室。

居心地の良い場所。
落ち着ける場所。


ただいま。









窓が･･･
窓がっ割れてる・・・！！！？
一体何があったというんだ！
(郵便受けに溜まった手紙を読む）


ら、ラティシア嬢か･･･
驚いた。空き巣にでも入られたのかと！
うん、しかし元気そうで何よりだ。
俺も少し元気になったような気がするよ。フフ

鳳仙嬢に見つかる前に修理しなければ･･！

今日から我が家に新しい同居人が。
黒猫のブラッディー。
まだ産まれたばかりでとても可愛らしいんだ。

今度こそは、大切にしなければ。
精一杯の愛を注いでやらなければ。

これから、宜しく頼むよ。
ずっと傍に居るから。

久しぶりに集いの間まで出向いて、話し相手募集の張り紙を貼ってみたよ。

もっと話し相手が居たはずなのにいつのまにか来客が減ってきてしまってね。

どうも俺の見た目に特徴があり過ぎるらしく、
中身が意外と普通だと分かると離れていく方が多いようだ（苦笑


なので今回は人型に変身して張り紙をしに行ったんだ。

おやおや早速客人が来たようだ。
よし、パンプキンパイと温かい紅茶の準備は万全だな。


(部屋の南瓜がまた何となく少なくなっている･･･)