楽しい時間ほど、終わりを名残惜しく感じる訳で。
それでも平等に――――いや、常時よりも駆け足で終焉は遣って来る。
先日に記した通り、俺は旅に出ることにする。
転居先は未だ決まっていない。
旅をしながら満足の行く居住地を探すつもりだ。
小窓の鍵は部屋に置いておくので、万一ほんの少しでも心残りに思って下さる方がいらっしゃれば、ご自由にお持ち帰り戴けると嬉しい。ほぼ閉ざしているのだけれど。
不思議な小窓は遠く離れていても繋がると聞く。便利な世の中になったものだ。
さて、黒猫が急かしているのでそろそろ出発することにするよ。
では、一先ずのさよならを。
君に、彼女に、あの御仁に。
縁を結んでくれて有難う。
出会ってくれて有難う。
産まれてくれて有難う。
もう俺の愛したこの地で逢うことは叶わないけれど。
そう遠くない未来に。
遥か彼方の大陸で。
此処とは異なる何処かの地で。
何時か必ず、また会おう。
心より愛を込めて!
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