「ただいまミスター!
じゃなくてミス?ミセス?
・・・ミズ?!」
黒猫は部屋のドアを開けると同時に五月蝿く騒いだ。
女体化した城主を馬鹿にする黒猫だが、
手紙を届けて貰っているという負い目もあるので
強くは反論出来ない。
代わりに精一杯の鋭い目つきで彼女を睨みつけてみせた。
すると黒猫の頬はみるみる赤く染まり、尻尾を尖らせた。
「かっ・・・かわいいいい!!!!
いいよ!すっごくいいよその表情★
ハイハーイ、もうちょいこっちに目線頂戴よカボ子!」
もう何をしてもコイツを喜ばせるだけだ、
そう悟った城主はソファに突っ伏した。
「ごめんごめんって。
あっホラ、うちにもまたお手紙届いてたよ!」
落ち込んでしまった城主を見て、やりすぎたと感じたようだ。
黒猫は何枚かの手紙を咥えて近づいてきた。
早速送り主を確認してみると久方ぶりに見る友人の名前。
胸を躍らせつつ封を開けると、その瞬間に一枚の絵がはらり、と床に落ちた。
「!!!!!!??????」
戦慄。
それはあまりにナイスバディで、
無駄に可愛らしい女性の絵。
「・・・・・俺なのか!?」
黒猫は腹を抱えて笑っているが、
もうそんな大声も耳に入らない。
城主は、静かに・・・・
泣いた。
「可愛い絵ありがとね!」
「ちょw」
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